消費者心理と遮光性

 油脂の酸化を防ぐ手段としては、包装容器の遮光が最良でしょう。色の付いた遮光フィルムを容器に貼り付ければよいのです。例えば透明なガラス瓶を包装容器として用いると、紫外線を防ぐことはできますが、5000オングストローム前後の光そのものを遮断することが出来ないため、内容物である油はすぐに劣化してしまいます。そこで赤褐色のフィルムをガラス瓶に貼り付けて、油の鮮度を保つのです。しかし赤褐色のフィルムには一つの欠点があります。それは、消費者の購買意欲を下げてしまうという問題です。ビール瓶を想像すれば分かりますが、濃い褐色のフィルムを貼ってしまうと、デザインが損なわれてしまいます。透明な容器の方が清潔感を得られるものですし、中身が見えないのも不安を抱かせます。つまり消費者は透明な容器を好む傾向にあるということが言えると考えられます。

 では包装容器のメーカーは遮光性と消費者心理のどちらに重きを置いて開発すればよいのでしょうか。これは難しい問題で、時の選択によるとしか答えようがありません。実際、色の付いた包装容器の商品は売れ行きが芳しくないというデータがあるのです。メーカーも売れ行きを無視してフィルムを張り付けるわけにはいきませんが、かと言ってクライアントが製造する食品の品質保持をサポートする必要もあるわけで、悩ましい所なのです。妥協策としては、表と裏とで仕様を変えるという手も挙げられるのではないでしょうか。表にのみフィルムを貼り、裏は透明にするのです。この場合、裏の全面を透明にする必要もなく、小窓のように部分的に透明な箇所を設けるのです。また、いわゆる「商品の回転率」高めることで、光に曝される時間を短縮することも有効な手段と言えるのではないでしょうか。